つれづれ memo & feel

旅の記録と日常の出来事をメモする

初秋の京都に紅葉を求めて歩く


 また法事で大阪に行くことになり、溜まったマイレージを使って飛行機を予約した。しかし、特典航空券の枠が混んでいて、往路は前々日の便しか空いていなかった。安く済まそうとすると、うまくいかない。
 それで、法事の前日の一日がすっぽりと空いてしまうことになった。そうなると同時に、頭の中で「秋だ、冷えてきた、紅葉だ、それなら京都」という連想ゲームが進む。ただ、大学時代に4年も京都にいたのですが、観光名所にはあまり近づかなかった。大徳寺の裏に下宿していたのに、その境内に入ったことがないというくらいなのだ。
 そこで関西にいる知人に見所などを聞いてみると、「京都の紅葉は、山の方は中旬以降、市内では下旬かな」という状況である。まあ、東京の近くの公園も少し色づいていることだし、秋一色の紅葉は期待できなくても少しは色づいているだろう。それに、秋の雰囲気が漂い始めた古都を、懐かしさも感じながら歩くのもいいなと、京都行きを決めた。
 そうすると、紅葉の情報をくれた京都の友人から、お昼くらいまでなら付き合っても良いとの返事が来た。これで、美味しい食事処にも行けそうだし、とにかく一人さみしく食事をしなくても良くなった。
 もう一人の友人からは、夕食なら付き合っても良いとメールが入った。こちらは、芦屋方面だ。日が暮れてから京都を出ても、十分間に合う。


 さて、いつものようにその時のツイートを中心にまとめてみた。


蹴上駅

蹴上なう。さすがに京都の風は冷たい。これから南禅寺辺りを巡って、まずは法然院までぶらつく予定。

 (蹴上駅にあった案内板)


  ところで、蹴上駅の改札を出たところにあった案内板で頭が混乱した。初めは気が付かなかったが、そのうちに混乱の原因が分かりだした。頭の中の地図と上下逆さまだったのである。つまりこの案内板は、南が上になっているのだ。右は、家を出る時にiPhoneのマップで確認して覚えてきたもの、北を上にした常識的な地図である。
  なぜ南を上にしたのだろう。地下なので、案内板に向かっての左右を地図の左右に合わせたのだろうか。でも、手持ちの地図や駅を出て別な地図に出会った途端、また混乱が生じると思うのだが。普通は、地図は北を上にし、出口に番号付けをしておいて、地図上にも実際の出口の指示板にもその番号を使って表示することが多いのだが。
  例えば、カーナビでも北を上に固定しておいたほうが、進行方向を上にする場合より頭の中に地図を作りやすいのと同じことだろう。座標軸の方向を変えられると、特に年寄りはついていけない。


<疎水を歩く>

蹴上駅を出て、疎水沿いの道を探して南禅寺に向う。途中から時折の雨に合う。人が少なくて水の流れる音が気持ちいい。
  

  ここからは、友人を道先案内人として歩き始める。私がいつもする、方向だけ決めてその場の状況で寄り道をしたり、時には間違ったりする歩き方は、二人に共通していた。歩き旅は、間違ったほうが面白いことに出会える。これが、最近のセオリーになっている。


新島襄

南禅寺を過ぎて、新島襄墓所があるという案内板を見つける。ちょっと寄り道と行くが、少し急な山道。汗が出てきた頃に墓地が見えてきた。かなり探してやっと見つける。

  やはり、すぐ寄り道に入る。でもこれは、市内にしてはかなりの山登りになった。なかなか見つからなかったので一度は諦めかけた。それだけに発見したときは、喜びが大きい。

隣には、来年の大河ドラマの主人公になるらしい妻・八重さんのお墓もあった。

  帰ってから調べてみると、来年のNHK大河ドラマ「八重の桜」で、主人公の新島八重を演じるのは綾瀬はるか、その夫・新島襄オダギリジョーだそうだ。
 新島八重さんの写真があった。
  


法然院

山道を下りて法然院に。雨が時折強く降る。しかし空気は良いし、京都らしさが強くなってきた。茅葺屋根の山門が素敵だ。

  ちなみに、空きが深まると法然院の山門は、このようにデコレーションされるようだ。その兆候でも見られればよかったのだが・・。
  

法然院の中庭を見て近くの食事処を探す。



<食事処>

雰囲気の良い店でランチ。
  

  「梨門邸(なしもて)」は炭火焼きが美味しく、友人によると主人が料理に凝るのだそうである。値段も手頃。

隣にある甘味処でデザートもこなす。お腹いっぱいになったので、出町柳まで歩くことにした。この時間になって晴れてきた。^^

  この甘味処「銀閣寺喜み家」は、豆かんで有名。量も十分すぎるほど多い。食後のデザートとしては、甘党の私でも少し手こずった。^^);

出町柳駅なう。これから鞍馬に向かいます。

  昼食を終えてから、友人とは別れた。ということで、ここからはいつもの独り歩きになる。これまでの市内歩きでは、ちらほらとだが紅葉を見かけた。ここより北で、標高も高くなる所なら、おそらくもう少し紅葉しているのではと鞍馬寺を目指すことにする。


<鞍馬>

鞍馬到着。小雨が降ってきた。めげずに、これから鞍馬寺まで登ります。
   


鞍馬寺なう。20分かけて一気に登りきった。出だしの登りがキツかったが、九十九折になってからはペースに乗る。登り切ると、ご褒美か晴れになった。汗だくだ。
  

  残念ながら、紅葉は今まで見てきた市内より進んでいない。ただ、山の中の鞍馬寺は趣がある。昔、夏の暑い時にふらりと鞍馬に来てそのひんやり感を楽しだことを思い出した。所々で、昔の記憶がふと湧き上がる。

秋色を求めて鞍馬の山に来たのだが、紅葉の兆しは1%くらい。市内の南禅寺辺りの方がより色づいていた。寒さはこちらの方が寒いので、秋はより強く感じる。
  

  駅まで戻る道の曲がり角で、甘味処「多聞堂」の和菓子が目に入る。お土産にいいなと、きんつばを分けて数個買う。これからの道中で小腹が空いた時のためにもと・・。

鞍馬駅で帰りの電車待ちなう。やはり鞍馬だ、駅の近くに天狗が居ました。さて、これから大きく西に移動します。



  ところで、紅葉真っ盛りなら、鞍馬近くの叡山鉄道沿線はモミジで真っ赤なトンネルになるらしい。電車の最後部に座ってその様子を思い浮かべていたが、見えるのは緑のトンネルだった。 調べると、叡山電車から見る紅葉は右の写真のようになる、夕闇迫る頃は特に美しいらしい。
         


出町柳から同志社大学

同志社大学なう。時間があるので、今出川通を西に。同志社大学のキャンパスに。入ると懐かしい建物の名前が飛び込んでくる。徐々に土地勘が戻ってきた。
  

  JRに乗るため京都駅までの経路を考えてみた。出町柳から今出川まで歩いて地下鉄に乗れば一本で行ける。時間もあるのことだしとそう決めて、今出川通りを西に向かって歩き出した。時間が余れば、御所に寄ってみるのも良いだろうと。

京都駅なう。日が落ちると、寒さが増してきた。さて、ここから神戸の方に舵を向けます。

  結果的には、大学のキャンパスをうろついて時間がなくなり、御所には行けなかった。


<芦屋>

話が弾んで遅くなりました。さて、これから大阪の寝ぐらに帰ります。

  大学時代の友人に会う。当時の人の名前が出てくるが、顔を思い出せない人もあった。



 午前は京都、夕方は芦屋で、学生時代の友人と一緒に過去をおさらいする貴重な時間を過ごした。記憶は、言葉で想起されるよりも肌で感じて思い起こされる方が生々しいというか、感覚的なリアルさがあることが多い。京都を歩いていて、目から入る情景と肌で感じる風などが相まって、過去の記憶にふわりと当てはまることがある。それを切っ掛けに、懐かしい情景や出来事が浮かんでくる。視覚的な情景はぼんやりしているのだが、その全体の感覚は鮮明なのである。


 他の都市に比べて京都の町並みは大きく変わっていなく、記憶の再現に有利な土地柄なのだろうと思う。頭の片隅に追いやられていた街を、たまにゆっくりと歩いてみるのもいいものだ。