つれづれ memo & feel

旅の記録と日常の出来事をメモする

椅子の背もたれ修理(籐シートの張替え)


 椅子の背もたれが壊れてしまった。張ってある籐の部分が、ついに破れたのである。25年も使っているので、経年変化もあるが、扱いも悪かったのだろう。
 いつもPCラックの前に置いて、これに座ってネットサーフィンをしている。最近になってから、たまに背中との間に簡易マッサージ・クッションを入れて動かしていた。おそらく、そのときに背もたれに掛かる圧力がとどめを刺したものと思われる。小さくメリッと音を出して亀裂が広がった。


 何かが壊れた場合は、だいたい自分で修理できないものかとネットに当たってみる。あるサイトを見て、材料さえあればできそうだと思い、やって見ることにした。
 始めてみると、籐を張るよりも外すほうが大変であった。周りに傷を付けないように掘り進めることや、最後にやたらとあるステイプルを抜くのに四苦八苦した。


 いつものように、その時のツイートをまとめて張替え作業を振り返ってみた。


2013年05月03日(金)
■椅子が壊れる

背後でメリッと音がした。見てみると、椅子の背もたれの籐の部分が破れてる。以前から小さな破れがあったのだが、大きく崩壊した。修理せねば。



■修理方法の調査

籐椅子の修理をネットで探してみた。「籐椅子の張替え方法」 を見ると、材料さえあれば自分で修理できそうだ。籐で編んだものをラタンシートというのだ。道具は揃っているので、これを手に入れなければならない。

修理の体験レポート もあった。案外簡単そうだ。まずは椅子のラタンシートを剥がして、構造をチェックしてみなければ。そのあと、材料のラタンシートや丸芯をホームセンターに探しに行こう。連休の暇つぶしにちょうどいい。忙しくなってきた。



■籐シート外し

昼から椅子の背もたれを外す作業に入る。籐シートは、ちょうど網戸と同じ仕組みで固定されている。違うのは、溝にはゴムではなく籐の丸芯が接着剤で固められている。これを彫刻刀で掘り出すのだが、やってみると大変なのである

周りを傷付けないよう、少しづつ掘り進める。溝の底にくるとステイプルが現れて彫刻刀の進路を邪魔する。使われている丸芯の太さも分かったので、作業を中断して、材料を探しに出る

近くにある2軒のホームセンターに行って探したが、どこにも籐のシートや丸芯は無かった。最初にネットで調べた所で売っているので、そちらに頼むことにしよう。

帰ってから椅子の籐シート外し作業を再開する。ステイプルがこんなにあるとは思わなかった。それを引き抜くのも一苦労。

傷付けないように気を付けたのだが、数カ所にかすり傷を付けてしまう。何とか夕食の支度をする前に作業を終えた。これでも座れないことはない。材料が揃うまではこのままだ。

ふと、背もたれは籐シートでなくてもキャンバス生地なんかでも良いのでは、と考えがよぎった。ちょっと他の素材を探して見ることにする。



2013年05月07日(火)
■材料発注
 近くのホームセンターなどに行って探してみたが、材料のラタンシートなどは売っていなかった。また、代替できるモノがあるかも知れないといろいろ思い浮かべたりしてみたが、決定打は出なかった。
 結局、元のように籐で復旧するのが良かろうと、材料をネットで発注した。丸芯の太さが気になったが、溝の幅と掘り出した現物の丸芯を実測して決めた。

椅子の背は、元のように籐にすることにした。サンプルとして残しておいた物を見ながら、ラタンシートなどをネットで発注する。丸芯の太さが気になるが、実測した4mmの径で大丈夫だろう。今週中には修理作業を再開できそうだ。



2013年05月09日(木) 
■材料到着
 2日で届く、早い。ただ、夕方に届いたので、道具などの準備だけをして作業は翌日に。

夕食を終えてくつろいでいると、ピンポーンと鳴った。ネットで注文したラタンシートと丸芯が届いた。張替えの手引きも入っていた。これで椅子の背もたれ修理の材料が揃った。

すぐにでも修理に掛かりたい気持ちだが、遅いので明日にする。ただ、手引書にある道具だけを準備することにした。網戸張替え用のローラーにテープを貼って丸めたり、丸芯を叩き込むためのものを板を加工して作る。根っからこういう事が好きなようだ。



2013年05月10日(金)
■張替え作業
 初めてのことなので、慎重に進めた。終わってみると、案外楽な作業だったと思える。要は、丸芯の打ち込みというところがハードなのであるが、網戸の張替えと同じ要領であった。

今後のこともあるので、メモ代りに手順をTwしておこう。まずは、ラタンシートを、貼る部分より5cm位大きめにカットする。そのシートを10分程度水に浸ける。

その間、丸芯を溝にはめて形状を整える。同時に必要な長さに切っておいた。これは手引書には無かったが、後で考えると有効であった。

水から引き上げたラタンシートをざっと拭いてから、貼る部分に置く。一辺だけクリップで固定し、その対辺からローラーで溝を付ける。網目が切れないよう、ゆっくりと何度も繰り返しながら溝を深くしていく。これが思った以上に大変な作業だった。

溝ができた段階でシートはズレ難くなったので、押さえのクリップは外した。できた溝に木工用ボンドを流し込む。これは簡単。

次に丸芯を溝にはめる作業にかかる。丸芯の中央から左右対称に交互に叩き込む。最初は丸芯の長い端が暴れる。それで、ボンドが付くのも構わずクリップで押さえる。大変なのは最初だけで、コーナーを曲がると後は楽勝。

余分なラタンシートをカッターで切り取る。溢れ出したボンドで溝の中が見にくい。余分なボンドを拭いながら慎重にカットする。切り取ったシートの欠片が手に付着したりで、濡れ雑巾が大活躍した。

椅子の背もたれ修理が完了した。素人が初めて張り替えたにしてはまずまずの出来だろう。椅子自体は買って25年経っているので、傷も有り大分くたびれている。

あとは、乾くのを待つだけ。最終的にはこげ茶のニスを塗ると元通りになる。しかし、塗らない方が涼しく見える。これから夏に向かうので、しばらくこのままにしておこう。



 いつも何かが壊れたときは、嫌な気持ちと同時にワクワク感が立ち上がる。修理方法を考えたり、道具を使って何かしているのが好きな性分らしい。試行錯誤しながら修理を終わらせて、元通りになったものを見る。そして、しばらく自分がやったという小さな喜びに浸れるのである。特に、相手が木だと対応していて気持ちが良い。木の温かみと、それを作った職人の技をすこし垣間見ることができるからであろう。


 最後に、お世話になったサイトを以下に上げておく。
(1)籐の製品は福島工業:籐椅子の張替え方法
  ・・材料の発注と張替え手順を勉強した所。素早い対応と、簡潔な説明が役立った。
(2)craft WAKU's blog: 籐椅子の張替え
  ・・最初にネットで見て、このサイトで勇気づけられた。