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弱毒性と強毒性

今回のインフルエンザは弱毒性と言われるが、強毒性とどう違うのかよく分からない。
「弱」の語感から安心感が広がっているようだが、正しく理解するための説明が少ないように思う。


ググっても解説があまり見当たらない、弱毒性という文字面だけが漂っているような感じである。
その違いについて記述してあるものをいくつか上げる。

 強毒性のH5N1型ウイルスは、のどや肺などの呼吸器だけでなく、内臓など全身に感染が広がるのが特徴で、感染者の免疫機能が過剰反応して、重症化すると考えられている。しかし、米疾病対策センターCDC)の遺伝子解析によると、今回のウイルスは強毒性のH5N1型と異なり、呼吸器にしか感染できない構造だったという。
新型インフル「弱毒性」でも警戒必要:YOMIURI ONLINE 2009年4月30日

インフルエンザウィルスにおける弱毒性と強毒性の違いは、弱毒性は呼吸器のみの感染を引き起こす。いわゆる普通のインフルエンザである。一般のインフルエンザは全て弱毒性という分類である。一方、強毒性のインフルエンザは鳥インフルエンザに代表され、脳や肝臓など呼吸器以外の感染を引き起こす。
インフルエンザAの誤解:Yahooニュース 2009年5月14日

弱毒性とは、
通常の「季節性インフルエンザ」と同じぐらいの
死亡率が0.1%弱程度のものを言う。
(・・・)
強毒性とはなにか、というと
1918年に起こった
スペイン風邪と呼ばれる(当時の)新型インフルエンザの時の死亡率が
2%前後(1〜5%)であったため、
その2%前後以上のものを、強毒性、と呼ぶことになっているようだ。


また、病態生理学的には、
死亡率が上昇する理由として、諸説あり、
1.呼吸器感染だけでなく、全身感染する
2.上気道(咽頭など)だけでなく、下気道(肺)にも感染する
3.サイトカインストーム(免疫の過剰反応による増悪)が起きる
などが、いわれているが、
どうも、まだ、統一見解は、ないようだ。
新型インフルエンザ、フェイズ5、弱毒から強毒:山本敏晴の日記 2009年04月30日

最後のものは医師のブログ、つまり専門家によるもので、信頼できるし分かりやすい。
その同じブログで、弱毒性の死亡率についての具体的な説明に、

季節性インフルエンザとは
(日本では)
毎年11月から3月ぐらいまでに流行る
普通のインフルエンザで、
毎年、約1千万人が感染し、
毎年、5000人から6000人が
死亡している。


死亡しているのは、主に高齢者である。

とある。


弱毒性であっても、感染率が高くなれば体力のない患者への被害は大きいものになろう。


また、強毒性に向うウィルス変異の可能性も考えられる。

1918年にパンデミックを引き起こし、数千万人が死亡したインフルエンザウイルスは、感染拡大の初期は弱毒性だったが、半年後に強毒性のものに変異し、世界中で猛威を振るった。1968年に感染が拡大した新型インフルエンザウイルスも、感染拡大初期は弱毒性だった。
新型インフル、強毒性ウイルスへの変異も:Reuters 2009年05月13日



今しばらくは、警戒するにこしたことはないと思う。