つれづれ memo & feel

旅の記録と日常の出来事をメモする

ウォーキングと学問ノススメ

健康のためにウォーキングをしている。いつもiPodを携帯していて、CDブックなど、音楽以外のものを聞きながら歩くことが多い。最近、そのメニューにある人に教えてもらったトーク番組が加わった。iTunesポッドキャストにある「ラジオ版 学問ノススメ Special Edition」である。


これは、JAPAN FM NETWORKのラジオ番組をポッドキャストで流しているもので、情報欄には次のようにある。

学校では教えてくれない、教わったけれど忘れてしまった! ことを授業より楽しく学べる、ラジオ版課外授業プログラムです。各分野に精通するエキスパート(講師)を迎えてお届けします。

具体的には、各分野の著名人に最近出した本の内容をベースにインタビューをするというものである。1回あたりの長さが1時間程度なので、ウォーキングの友に丁度いい。歩きながらの学問という連想から、この方式を「iPod二宮金次郎」と名付けて悦に入っている。


ポッドキャスト配信には最新のものしかおいていないので、そのバックナンバーのサイトを見つけて、興味のあるものを探してiPodに放り込んでいる。


これまでの中では、養老孟司さんが一番面白く聞けた。

養老孟司さん(解剖学者/作家)[2007/12/30放送]


それ以外にも、毎回多くの興味深い言葉に出会うことができた。記憶に残っているところを、忘れないうちに少しメモしておく。


養老孟司
 世界を変えるのは簡単である。それは、自分が変われば良い。そうすれば、世界は違って見えるし、いちばん安くつく・・。


 これからは感覚を大切にしたいと言う。時代と共に人の感覚は鈍ってきており、言葉に多く頼っている。例えば、賞味期限という言葉を信用し、自分の感覚を捨てている。そもそも、人が「赤」と言うときにそれぞれのもつ感覚の「赤」は違う。富士山を見ても、誰もが違う角度や時間で見ることになるのだから、同じものを見ているとは言えない。みんなが違うものを見ているのだから、言葉で共通化することになったのだ。言葉に頼るということは、”違う”ということを落っことした世界になり、そこでは言葉が空虚になる。


白洲信哉(文筆家)
 文化全体にブランド主義がはびこっている。みんなが「あの展覧会に行った」と云うが、「展覧会で何を見てどう感じたか」でないと・・。言い換えれば、自分の価値観を持つこと、何が好きで・何が嫌いなのか持つことである。 


日高敏隆(動物行動学者)
 動物に自意識があるらしい。チンパンジーがウソをつくことを実験的に確かめたが、ウソをつくことも自意識の表れである。ただミミズまでになると・・。飼っている「猫を見ていると自分というようなものがあるように見えますよね」と・・


椎名誠(作家)
 孫との会話を長続きさせるためのテクニック、要は子供に分かる言葉に翻訳したり、彼が発する言葉を理解する能力を鍛えなければならない。


 自然の林より、町の公園の方が子供にとっては危険。例えば、どこの公園にも置いてあるブランコが子供に危害を与えるものになっている。大人目線で計画しそれを承認する上役の判断基準でしか考えない。


姜尚中東京大学大学院情報学環教授)
 政治は、何が幸福かというパーソナルな問題に立ち入るべきではない。心の問題とかどう生きるべきかということは人それぞれに異なり、それぞれの立ち位置で考えるベき。国は、幸せの条件(インフラなど)を整えることに専念すべきである。


 若い人に対して、無駄なものと無駄でないものを早く峻別しないことという。無駄ななものをやらないと無駄でないものが分からない。無駄かどうかの判断基準も親や周りの意見に従ったものになりやすい。


まだ聞いてみたいものが沢山残されている。
機会があれば、また学問した記憶をメモしてみたい。