つれづれ memo & feel

旅の記録と日常の出来事をメモする

よそ者には馴染めない故郷の味

あるブログを読んでいて「あ、これだったのか!」と、ついこの間の塩辛い思い出が蘇った。

蓋をあける。とろーっと黒い液体が見える。ナイフに乗せる。なんだか粘っこい。トーストにつけると、ねばねば抵抗感がある。
茂木健一郎 クオリア日記: マーマイト

まさに、このとおりだった。


英国で朝食をとるテーブルに、マーマレードや苺ジャムの小さな容れ物と並んで不思議なものがあった。一度、「何だろう?」といつのも好奇心から、少しトーストにつけてみた。ドロッとした黒い色合いだけで少し腰が引けたが、口に入れると生臭さを伴って塩ッ辛さが広がった。感覚的に、アンチョビをペーストにしたものだろうかと思った。それからは、二度と試そうとは思わなかった。

そのブログから、おそらくこの「マーマイト」だろうと思った。写真が添えられてなかったので、確信するためにも調べてみた。

 マーマイト(Marmite)はビールの醸造課程で増殖して最後に沈殿堆積した酵母、いわばビールの酒粕を主原料とし、イギリス及びニュージーランドで生産されているビタミンBを多く含む食品。


 他に類を見ない味と香りのため外国人には理解できない味とされることが多く、日本や米国などでは悪評が高く普及してはいない。

マーマイト - Wikipedia

まさに、「黒」の正体はマーマイトである。もいちど記憶をたどってみたが、「MARMITE」という文字は思い出せなかった。少しの試食だったので強烈な拒否反応はなかった。印象が軽いものは、早く記憶から消えていくようだ。


さらに探すと、小さな容器の写真もあった。食卓にあったのはこの形です。



::::::::::::  From London With Love  ::::::::::::


これって、日本でいうと塩辛や塩昆布などに当たるのだろう。
どちらも「トーストにマーマイト」、「ご飯に塩辛」というふうに主食に添えて味わうもの。また、外国人がすぐには馴染めない味の食品、などの点からもそうであろう。


先のブログに、

イギリス人が、外国にいる時に一番「なつかしい」と思う食糧だというマーマイト。

ともあった。「マーマイトは、徐々に好きになるものなんだよ」とあるように、徐々にしか慣れ親しめないものが、特別な故郷の味として育つのだろう。