つれづれ memo & feel

旅の記録と日常の出来事をメモする

駆け足で見たトルコの人、動物、そして食べ物

7月の初めに、アブダビ経由でイスタンブールに入り、駆け足で名所・旧跡を回るツアーに参加した。もともと歴史に疎く遺跡などを見ても美的感覚だけでしか見られない。景勝地に行ってもすぐに見飽きてしまう。ただ、どこに行ってもその土地に住む人や動物、それに路上の物売りに親しみを覚えた。特にイスタンブールの町の猥雑さは、下町生まれの私の肌に合ったようだ。


そんなわけで撮った写真を見返しても、名所・旧跡の絵柄はあまり面白くない。やはり、そこで一瞬なりとも出会った人間、特に子供立ちの顔、自然体の動物たち、そしてあちこちで食べた物と、その土地が持つ風土というか雰囲気が重なりあって強い印象が残っている。


<子供、美女>
    
学年末の夏休み(トルコの新学期は9月)でアルバイトをしてる子供たちをよく見かけた。左は、カレー味のトウモロコシの試食をすすめる女の子。彫りの深い独特の眼鼻立ちをしている。二,三粒もらって食べたが、とても美味しかった。でも試食だけでゴメンなさい。
右は、「イチリラ、イチリラ」と、おそらく知っている唯一の日本語で呼びかける絵葉書売の少年。写真を撮るよといったら、姿勢を正してポーズを取ってくれた。その自分の写真を欲しがっていたようだが、言葉の問題もあり何をする術もなかった。こちらもゴメンね。


    
左は、途中すこし観光場所が一緒になってよく見かけた家族旅行中の女の子。写真ではおすまし顔だが、離れて目で追いかけていると元気でオテンバな三歳児がそこにいた。
右は、ノリの良いジュース屋の店員さん。客寄せと、歓迎の意味なのだろうが、カメラを向けるとおどけたボーズを取ってくれた。女性も美人だ。左下に見える機械で冷やしたオレンジを絞ってコップに入れてくれる。30℃を超える炎天下で遺跡を観光し、その後で飲む一杯は体に沁みわたる。これが止められず、どこに行ってもジュース屋を見つけることが、一つのルーティンになっていた。


    
ツアー会社にとって必須のショップに案内される。トルコ石の宝石ショップだが、こちらには豚に真珠。暇を持て余して、愛嬌がある店員を見つけて”ある”トルコ語を教えてもらう。書くと"Seni seviyorum"になるのだが、発音が難しく何度も聴く。意味?素敵な美人に出会ったとき口に出すと良いことがあるかも。(^^);
右は、パムッカレという温泉の水たまりで、みんなが水に浸かるところ。このような水着を着て歩いている美人がいる。自然にカメラがその方向に向く。これも名所より人に興味があるという証であろう。(^^);


<動物たち>
    
これぞ野良犬といった風格がある。ここはガラタ橋のたもと付近で、あともう一匹いた。屋台のおじさんから余った骨を貰っている。近づくと少し恐い。あちこちで、このサイズの野良犬をよく見かけた。みな肋骨が浮き出ていて、腹ペコのようすが伺える。あるところで、大きな犬が物売りの小さな少年に頭をこづかれてシュンとしていた。あんがい人にはやさしい犬なのだろう。
右は、スイカと戯れる子供のノラ猫?なのだろう。しばらく一匹で遊んでいたが、ぷいと消えた。


    
働く動物たちである。これは、記念撮影用のラクダ。右のはしごを使って上に乗って撮ってもらう。カッパドキアの風景に合う。奇岩の荒地に立つラクダを見ながら、いにしえのシルクロードを想像していた。
右は、物陰に繋がれていたロバ君。観光の主役にはなれないようだが、こちらのほうが荒野を行くという雰囲気が伝わってくる。


<飲み物、食べ物>
    
「チャイ」という紅茶。暑い時に熱いお茶なのだが、旨い。安いのもあって、あちこちでよく飲んだ。たまに普通のティーカップとか紙コップで出されたが、この瓢箪の形をしたカップで飲むとより美味しく感じる。味わいながら、沢木耕太郎の「深夜特急」で読んだ「チャイ、チャといった”C”の茶の国と、ティー、テといった”T”の茶の国」のことを考えていた。同時に「どんなにその国に永くいても、自分にはよくわからないと思っている人のほうが、結局は誤らない」ということも・・・
右は、ヨーグルト。こちらのヨーグルトは硬い。ハチミツをかけても沈まない。トッピングはケシの実だと思う。これも朝食のバイキングなどで見つけて、いろいろなトッピングを試してみた。


    
イカは、アメリカなど見る横長の西洋スイカ、ウォーターメロンといったほうがイメージしやすい。この冷たくて美味しい味がまだ舌の上に残っている。スーパーで見ると、25円/kgくらいと、円高換算のせいもあるがかなり安い。
あるレストランで右のスイカ・ジュースというのがあった。即。頼んで試してみた。味は、想定内で、やや甘ったるい。ただ、ジューサーで荒く砕かれた種がザラザラと舌の上で転がり、飲みづらいのが難点である。


    
写真の下の段にある小ぶりの洋梨みたいな果物は、見た目以上に甘くて美味しい。
右は、ナッツ類の間に置かれている乾燥イチジクもよく見かける。一口ほど噛むと、乾いたジャムの甘さが口に広がる。好きな味だ。


<露天の物売り>
    
路上ではいろいろな食べ物が売られている。左は、リング状の胡麻パン(Simit)売り。口に入れると、胡麻の香ばしい味が広がって、旨い。
右は、ヨーロッパの各地で見かける焼き栗屋さん。私の好物でもある。イスタンブールで食べてみたが、生焼けのような感じが強く美味しくない。今は栗の季節ではなく、冬に食べたほうが良いのだろう。
また、写真にはないが茹でトウモロコシの屋台もある。頼むと、お湯の中から1本取り出してタップリと塩を振りかけて渡してくれる。日本で食べる焼きトウモロコシの味を期待したのだが、水くさくて食べられなかった。これは、ハズレ。


    
揺れる船の中で調理して渡してくれる鯖サンドも試してみた。真ん中を割いたパンにレタスとベイクした鯖を挟んだもの。挟む前に、鯖の中骨をひとツマミして取り除くのだが、きれいに無くなっている。右にあるテーブルの塩とレモン水をブッかけて食べる。あまり期待していなかったが、なかなかイケル味であった。


<その他>
    
どこに行ってもやたら国旗が目に付く。頭の中にあるイスラム圏の歴史から、見るたびに「軍事専制国家」という言葉が脳裏にちらついていた。
右は、帰国前日の朝、路上に積まれていた朝刊。トップには、Wカップでスペインの優勝を伝える記事。前の晩、ホテルのテレビにかじりついて最後まで見た。華麗なパス回しに魅了される非常にいい試合だった。日本に居たら、試合の時間は早朝になるので、眠りこけて見られなかったかもしれない・・


    
バザールで見かけた香辛料のショップ。この色合、雰囲気が好きである。なんとかバザールといても、日本で言えばアメ横などにみられる商店街である。この猥雑さ、西洋とアジアがごった煮になった雰囲気がとても良い。
あるホテルで見た光景。回転踊り(宗教舞踊セマ)が回転ドアに。グッド・アイデアだと、一人ほくそ笑んでいた。


たかだか一週間程度、それも観光地しか見ないので、トルコの人たちの生活や文化については触れる機会が殆どなかった。この写真にあるような場面に出くわしたことで、現在のトルコが少し垣間見られたような気がする。


ところで、旅に出ていつも勝手の異なるのがトイレである。家ではウォッシュレットを使っているが、旅先では滅多にお目にかかれない。そこで、今回の行く前に「携帯ウォッシュレット」とネットで検索してみた。思ったとおりのものがあった。同じ思いをしている人が多いのだろう。電池を動力とするものもあったが、手動式の携帯ウォッシュレットを手に入れて、今回の旅に持っていった。使い心地もなかなか良い。ホテルではバスとトイレが同じ部屋にあるので、水を補充するが容易である。これからの旅には、カバンに入れていく必須のアイテムになった。