つれづれ memo & feel

旅の記録と日常の出来事をメモする

日本では報道されないだろうNZ地震でのいい話

NZ地震の報道が、八百長カンニングの話題で少し小止みになったとき、ツイッターでこの話を知った。
こちらのブロブ「クライストチャーチ 本当の美しさ」である。


被災者やその家族にまで無神経なインタビューをしたり、日本人の被害ばかりに集中しセンチメンタリズムを振り回すのが、いまの日本の報道姿勢である。最近では、日本人の被害者が出た建物の欠陥の話がとりだたされだした。終いにはニュージーランド憎しという結果に終わらないようにと、この”いい話”を紹介したい。



ある日本人女性(ブログでは”とんとん”と呼ばれる)が、仕事でクライストチャーチにきて今回の地震に遭遇した。地震が起きたときは仕事中で、直接の被害はなかった。しかし、宿泊していた被害が大きかった大聖堂近くのホテルには戻れ無い。パスポートや貴重品はホテルに置いたままである。仕方なく、指示された収容避難場所に入ったのころは夕方になっていた。その時に、このいい話が始まる。
(写真は、Christchurch earthquake - The Big Picture - Boston.comから)

 食事の支給を受け 避難所で知り合った日本人同士で身を寄せ合い 人1人が横たわれるギリギリのスペースで休んでいたそのとき 「家は11人までだったらお世話できるよ」と ホストファーザーとそのハイティーンのお嬢さんが話しかけてきてくださったのだそうです。
 とんとんは 他にも「ボランティア・ホストファミリー」としか呼びようのない 被害を免れた近在の一般家庭の有志の方が 自家用車で避難所に駆けつけ、 まったく見ず知らずの避難民を分け隔てなく収容していったのを たくさん目撃したそうです。


 自宅に 言葉も通じないかもしれない多国籍避難民を11人。。。
 たぶん お父さんとお嬢さん車2台でいらしたんでしょう。きっと 1台は8人乗りのバンで もう1台は5人乗りのセダン。車にめいっぱい乗せられるだけ 困っている人を助けようとオファーしてくれたに違いありません。


 とんとんが 他の5人の日本人と 近くにいた5人のバックパッカーたちと供にホストファミリーの車に乗せてもらったのが 真夜中すぎだったといいます。



地震が起きたのが13時頃、そしてこのボランティア活動の開始はその日のうちと、非常に速い。おそらく、被害に合わなかった近くの人が「いまの自分に何ができるか?」と考えた素早い行動だったろうと思う。彼らの高いボランティア精神に頭がさがる。


その後も、

 ランギオラというエリアに住む この親切なご家族は 前述のお父さんと お嬢さん そして 奥さんと 5歳と4歳の子供達の 5人家族。


 このボランティア・ホストファミリーは 11人の被災者達のために 生活必需品を買い 洋服を着替えさせ その間に彼らの服を洗濯し NZの伝統料理をふるまい 昼食を食べに外に連れて行き DVDをレンタルし 自宅のPCを開放し そして 航空券の手配をし 空港まで送り届け 元のホストファミリーがいる人にはそのファミリーとのコンタクトと取り やはり車で送り届け。。。
 そして常に「大丈夫よ、安心して。動ける目処が付くまで いつまでいてくれてもいいのよ」という 励ましの言葉を かけ続けてくれたのだそうです。



振り返って自分の心に尋ねてみた、このホストファミリーのようなことができるだろうかと。数人にも話してみた。日本人であっても見ず知らずの人を泊めることは躊躇する、という意見が多い。言葉の通じない外国人だったらなおさらだろう。欧米の人、中国、韓国、フィリピン、ベトナムなどアジアの方・・と考えていく。私も含めて、これが正直な気持ちだろうと思う。しかし、そういう場面に遭遇したとき、このホストファミリーのようにできればと・・。


最後に、

 とんとんは 本日26日 オークランドに移動し 在ニュージーランド領事館より仮パスポートを受け その後日本に帰国します。ホストファミリーとお別れするとき きっと何百万回もありがとうを言って 泣いちゃってることでしょう。



私も、このブログを読み終えるころには、目頭が熱くなっていました。
そして、いつかニュージーランドに行ってみたいという気持が大きく膨らんでいた。