つれづれ memo & feel

旅の記録と日常の出来事をメモする

旅の終わりは大地震・熊野古道(伊勢路)を歩く(5/7)

事前の計画では、大泊から波田須を経由して新鹿に出る「大吹峠〜波田須コース」と、新鹿から二木島に至る「逢神峠〜二木島峠コース」の二つを踏破することにしていた。


ネットから得た情報では、距離をトータルすると8.9km(4.8km+4.1km)である。三つの峠があるが、二木島駅で予定している電車に十分間に合うだろうとしていた。しかし、昨日大吹峠でもらった地図を見ると、大泊から二木島までは三つのコースに分かれ、合計すると13km(3.5km+5km+4.5km)と4kmも長いのである。


少し当初の目論見と違ってきた。まずは最初のコースをやっつけてから、その後の振る舞いを決めることにした。つまり、波田須に着いた段階で、二番目のコースを歩くと電車に遅れると判断したときは、そこからJRきのくに線を使って尾鷲まで行くことにする。





旅も五日目になり、多少疲れもある。二つのコースを行くことになれば、この旅で一番ハードな日になるだろう。


■2011年03月09日(水)

おはよう。今日の予定ルートは、三つの峠越え。しかし、昨日もらった地図では、距離が数キロ長く表示されている。時間が読めなくなった。途中でJRに途中乗車、つまり逃げ込むオプションも考えておく。
posted at 08:28:52

天気は、相変わらず良い。昨日、中休みとしてたコースで余計な寄り道をしたので、少し疲れが残っている。今日はタフなルートで、最後はJRで移動して尾鷲市に入ることになる。時間内に目的の駅に着かないと電車を逃す。途中のオプション選択の判断が重要。いくら低いといっても、山道では「無理は禁物」。これを頭に出発。
posted at 08:39:05




「大吹峠〜波田須コース」




波田須は不老不死の仙薬を求めて中国からやってきた徐福が上陸したと伝わる里。ここには距離はわずかだが、鎌倉期のものと思われる巨石の石畳が残る。弘法伝説にまつわる史跡などもあり、三重県指定の「母と子の自然と歴史の散歩道」に指定されている。桧や杉林を通るルートが大半の古道にあって、大吹峠は風情ある竹林の中を抜けていく。【世界遺産熊野古道伊勢路】)



      • 大吹峠

朝、ホテルを出てから大泊へ。地図を頼りにルート入口を探すが、見つかんない。地図が雑なのと、目印が無い。コースに入ると、一本道なのだが。

地図から得た感覚的な距離よりも先に、ポツンとあった。よく見ると、「熊に注意」とある。熊野古道だけに「熊さん」か。熊対策は、考えてこなかった。死んだふり、しか知らない。(^^);

急な坂にかかる前に、祠があった。石と苔と周りの緑が続く中に見かけると、心が和む。

昨日の松本峠と同じような石ころゴロゴロの坂道が続く。同じようにペースを作っていく。石の形を瞬時に見極めて、なるべく蹴上の少ない石を選んで登って行く。

大吹峠の特色である竹林に入った。途端、風の音が変わる。一つキーが上がったような、乾いた音になる。面白い!

キツかったが、到達すると気分が良くなる。昨日の山道で体も少しは慣れてきたようだ。ここから下って、次は波田須越え。

予定時間より早く第一関門を通過したので、下りは余裕をぶっこいでの自分撮り。またまた、です。いや、まだまだ出てきますよ。(^^)

波田須駅付近まで降りてきた。次の入口を探していると、これが。伊勢路と言うことが実感できた。とてもそこまでは歩けないな、とも。

国道を横切ったりと、ここはあまり良いルートでは無い。波田須神社に着いたが、コンクリートの鳥居に興ざめ。横目に見て、峠道にかかる。徐々に脚にかかる負担がきつくなったきた。

また国道を横切る。しかし、このトンネルを回避するルートが見つからない。これだと思って登って行くと、民家の庭に出た。引き返す。やむなく、トンネル内を突っ切る。

迷いながらも、新鹿港が見えてきた。古道を抜け出す前兆は、景色より音が先になる。つまり、車や工事の騒音、または人の営む生活音が、まず耳に入ってくる。

想定より1時間ほど早く着いた。これなら十分に次の逢神坂・二木島峠越えにチャレンジできる。なら腹ごしらえと見渡したが、店らしき店は無い。国道沿いに喫茶・軽食の看板をやっと見つけて入る。

この手の店では、カレーが定番。待ってると、おじ(い)さんが話しかけてきた。今日は古道歩き人が多いな、と。さっきも一人、これで二人になったと。(^^)たまに方言が分からない。適当に受け応える

やはり、おばちゃんとの相性が良い。カレーを食べながら、紀州ミカンのことを聞く。イヨカンとかポンカンは見たが、ハッサクも美味しいよね…。奥からハッサクを持ち出して、これどうぞと、頂いた。




「逢神峠〜二木島峠コース」


(熊野市の二木島と新鹿を結ぶのが、二木島峠と逢神峠で、コースのほぼ直下をJR逢神坂トンネルが貫いている。杉と桧による山林の、ほぼ全区間に端正な石畳道が通じており、適度なアップダウンで爽快なハイキングが楽しめる。逢神とは、伊勢と熊野の神が出会う場所という意味で、かつては狼が出没したことによるとの説もある。【世界遺産熊野古道伊勢路】)



      • 逢神峠

逢神峠コース入口には、杖のサービスがあった。もちろん、まだこれを使う必要は無い。しかし、このコースは長く、キツイ坂が続く。

三つ目の峠越えになると少しへばってきた。杉林の同じ景色が続く。息も切れるし、立ち止まる回数も多くなる。この標識の数字が減るのが、唯一の励みになる。

(緊急の時は、この数字を知らせて助けを求める)

それでも想定内の時間で逢神坂峠に到達。かなりの汗をかいている。これで十分余裕をもって二木島駅に行ける目処が立った。気分も持ち直す。ここでハッサクを、有難くいただく。上は、非常食のバナナ。

たまに携帯電話をチェックして安心する。だが、この峠では「圏外」になっていた。ここで倒れると、SOSが出せないな。

      • 二木島峠

二木島峠にかかる途中のお地蔵さん。視野にこういう変化があると、ホッとする。これを過ぎたあたりで二つの動物に会う。リスとヒト。始めて人とすれ違った。リスは目の前を横切った。


(写真をよく見ると、リスがいました!)











二木島湾が見えてきた。あと少し。予定の電車まで、かなりの余裕がある。ゆっくり行かないと、時間潰しが大変そう

国道に出て駅に向かう。ショートカットの道を見つける。写真ではそう見えないが、少し恐怖を感じる今日一番の急な坂道。ちょうど真後ろに太陽が。ということで、自分撮り。

      • 時間つぶし

二木島駅に着く。電車まで、1時間半もある。「さて、どうすべえ」と付近を徘徊する。

茶店でもあればと探すが、食堂も見つからない。仕方なく、日当たりの良い港の岸壁に陣取り昼寝の体制に入る。波の音とカモメの声が心地いい。が、コンクリートが痛くて眠れない。

風が冷たくなったので、駅に戻る。人恋しくなって、携帯電話を使う。それも終わって、暇つぶしの自分撮り。暇、ひま、ヒマ・・・・・。ワンマン電車の乗車に戸惑ったが、無事に尾鷲に入る。

駅から歩いていると、この文字が飛び込んできた。気がつくと、「これ下さい」と声を発してました。かなり疲れていたので、カロリー欠乏症の成せるワザ?

ついでに、今夜の食事処の情報も聞いておくことにしました。小料理屋さんの「田舎」を教えて貰いました。あと少しで、夕食に出かけます。まとめツイートは、その後で。今日もネタは、いっぱいある。

      • チェックイン

尾鷲のホテルにチェックイン。予定した三つの(実際には、四つあった)峠を制覇できました。余裕をもって乗り継ぎ駅に着いたので、時間を持て余した。一番タフな行程を終えて、ホッとしている。これご褒美。
posted at 17:18:25

夕食を求めて尾鷲をぶらついてると、給水点が。やっぱり、コモディティだ。
posted at 18:42:04

お腹も一杯になったので、本日のまとめツイートを。

閑話休題。このホテルは、無線LANサービスである。それは良いのだが、遅い。エレベーターホールの所にエアーステーションが、ちょこんと置いてあるのを、さっき見つけた。ま、仕方ないか…。
posted at 19:58:23



結果的には、時間つぶしをするほど余裕を持たせて二つのコースを踏破できた。おそらく、もらった地図は高齢化社会で増加傾向にあるお年寄りに合わせて改訂したのではと思われる。二つのコースを三つに分けたり、距離や歩行時間もかなり余裕を持たせてあったのだろう。