つれづれ memo & feel

旅の記録と日常の出来事をメモする

元気でいることが恩返し、それでこちらも元気がでる


先月、知り合いが東日本大震災の被災地・名取市に行き、現地の支援センターの人たちと被災状況を見てきた。後日、仮設住宅で出会った被災者の”おばちゃん”から葉書を貰ったという。ひょんな切っ掛けで、そこに書いてあった「ありがとう」という詩を教えてもらったのだけれど、これが素晴らしい。被災者の人たちがこういう感謝の気持ちを持っていらっしゃるのは、TVの報道などでよく聞く。しかし、身近でこういう言葉に合うと、東北の人たちの心情がより切実に感じられる。地震津波への恨みつらみよりも、支援に感謝したいという気持ちが強いのだ。


詩を書いた本人も全国に伝えたいという意向があると聞いたので、このブログでも紹介したい。

「ありがとう」             STさん(宮城県名取市


  鳥のように空を飛んで ありがとうを届けたい。
  太陽のような笑顔になって ありがとうを届けたい。
  風になって みんなの耳元にありがとうを届けたい。


  ありがとう ありがとう
  言い尽くせぬありがとう


  ありがとうの「あ」は、
  あたたかい心 あたたかい食べ物 あたたかい衣類をありがとう。


  ありがとうの「り」は、
  りっぱに復旧、復興するために助けてくださった
  皆さんにありがとう。


  ありがとうの「が」は、
  「がんばって」と声をかけてくれてありがとう。


  ありがとうの「と」は、
  とつぜん 何もかもなくなったけど
  世界の人が支援してくれてありがとう。


  ありがとうの「う」は、
  うれしかったよ。
  歌が歌える気持ちが少しずつ出てきたこと
  「化粧でもしてみようかなあ」という気分になれたこと。
  みんなの支えがあったから ありがとう。


  いつか恩返しが出来るかな。
  「元気でいる事が恩返しなんだよ」と言ってくれた。


  


  (風)やさしい風が あなたの頬をなでたなら
  ありがとうの気持ちを受け取ってください。
  (鳥)小鳥のさえずりがやさしく聞こえたなら
  ありがとうの気持ちを感じてください。
  (虹)雨あがりにきれいな虹が出たら
  皆様のおかげで希望を胸に 前に向かって進んでいる
  私たちを思い浮かべてください。


  ありがとう ありがとう 言い尽くせぬありがとう。


  (光)太陽が朝もやを照らしたら 光と共に
  笑顔になっている私達の事を。
  暗闇から徐々に朝やけになるように
  私達の心も少しずつ明るくなってきたのを。


  雲よ ぽっかり浮かぶ雲よ。
  鏡になって
  風よ光よ届けてほしい。


  言い尽くせぬ ありがとうを。


  雨上がりの虹よ 届けてほしい
  世界のみんなにありがとうを。


  鳥よ 雲よ 届けてほしい
  みんなの応援で 前向きになれたことを。


  月よ 星よ 届けてほしい
  みんなの願いが届いて
  笑顔が戻ったことを。



最後に、この詩の中のある「元気でいる事が恩返しなんだよ」の言葉を、あらためて被災者の方々に伝えたいと思う。”その元気”が、われわれの元気になるのですから。そして、日本の元気につながっていく。


復興は始まったばかり。まだ先は長い。息の長い”元気”が必要です。
我々も大震災の事実を風化さぜず、今の気持ちを忘れずに寄り添って行かなければならない。