つれづれ memo & feel

旅の記録と日常の出来事をメモする

人の心を壊すのも、人の心を救うのも言葉

あまり見ないNHK教育TVにチャンネルを変えると、さだまさしが教壇らしきところでしゃべっていた。
佐野元春のザ・ソングライダーズ】という番組で、佐野の母校である立教大学に「日本のソングライターたちをゲストに招いて、「歌詞」すなわち音楽における言葉をテーマに探求してゆく」というもの。さだは、そのゲスト講師として出演していたところであった。


(番組のホームページから)


見始めたのは、番組の途中で、ちょうど会場にいる学生と一緒になって即興で曲を作っていこうというところ。
一人の学生が祖父を亡くして悲しいと言うテーマで曲作りが始まる。さだの誘導で、学生たちから色々な言葉が引き出される。そのテーマをイメージする言葉が抽出されていく。歌いだしが肝心だと言うことで、曲の雰囲気がギターで音として提示され、その上に核となる言葉が載せられる。そのうちに、言葉がメロディーに変わって行く。


”さだマジック”というところであろうか。ふるい落とされて残された言葉が繋がり、いつのまにか一つの曲になる。なんとも表現できない感動を覚える。


その後、学生からの質疑応答になる。
その中で、強く心に残ったことがあった。


「さださんが詞を聴かせるように意識していることって何かありますか?」という学生からの質問に、さだが答える。

体温です。人が歌を作り、人が歌を聴くんです。その間に一番必要なのは体温。
人の心を壊すのも人だし、人の心を救うのも人なんだね。じゃあ何が救い何が壊すかというと、言葉。言葉は僕たちにとって重要な武器。その言葉を簡単に使ってはいけないということを、僕は歌作りの中で教わってきている。

「人の心を壊すのも人だし、人の心を救うのも人」、つまり「人の心を壊すのも、人の心を救うのも言葉」ということを改めて考えさせられた。


曲の歌詞だけでなく、人と人の関係においても重要なのは言葉だと思う。
人に対する気持ちも態度も大切なのだが、多くは言葉になって伝わるのである。
顔で笑っていても、発した言葉ですべてを壊すことができる。


最近になって言葉のもつパワーをより大きく感じるようになった。
振り返ると、「言葉の選び方がまずくて、幾度人を不快にしたかな」と反省させられる。
「人の心を救う言葉なんてあったかな」と記憶に尋ねたが、返事は無かったようだ。


日記を書くあたって、この番組をYouTubeに探したが無かった。
しかし、ありがたい事に、【佐野元春のザ・ソングライターズ(さだまさし編)】に、第1回、2回の発言内容が詳細に記録されているのを見つけた。
見逃した第1回も、これで内容がほぼ分かる。
また、上記の引用部分も参考にさせて頂いた。
感謝いたします。