広告は知恵とセンスの見せどころ

よく世界中の広告を集めたサイトを見て回る。そこには、凌ぎを削る広告マンのアイデアとセンスが溢れている。卓越したユーモアや批評性を感じるものも少なくない。中でもグラフィック広告は、一瞬で人目を奪わなくてはならないので、創意工夫がなされている。その時代の背景もうまく切り取らなければならなく、切り口がうまく合えば面白みが増す。


今日、そのようなサイトの一つ「Ads of the World」を見て、二つほど気に入ったものを見つけた。一つ目は、最近のニュースをうまくあしらっているものである。



【Blush Lingerie: Body scanner】


先日のブログでも触れた、最近空港に設備されるようになった全身スキャナーの話題をいち早く使っている。女性の「透かし見られても美しくありたい」と思う心理を、「Hello scanners!」という絶妙のキャプションで表している処も良い。


ちなみに、Blush Lingerieは、イギリスの高級ランジェリーブランドである。興味のある殿方は、このサイトも御覧下さい。しかし、下着も気にかけなければならないが、その前にシェイプアップが必要と思われる方も・・・。(^^);


二つ目は、インタラクティヴ広告（体験型広告）のジャンルに入ると思われが、そのアイデアに新鮮さを感じた。



上にあるキャプションを拡大すると：

Mountain degustation in the city

A poster covered with sealed air bubbles invites pollution plagued pedestrians to soak up the fine mountain air in the car-free mountain resort «Braunwald» (Switzerland). A campaign by «Braunwald Tourism» in all major cities in german-speaking Switzerland.

【Braunwald Tourism: Mountain degustation in the city】


要は、ポスターの表面にプチプチが貼ってあり、それをつぶすと中にある山の空気が味わえるという。それを汚れた空気の都会とリゾート地との対比に使って注目（アテンション）を作りだしている。空気の缶詰というものもあったが、プチプチに空気をいれるという発想は、そう簡単に思いつかないだろう。また、見る人にプチプチつぶしという楽しみも与えられる。


ところで、Braunwald はスイスの美しい観光地で、今頃はスキーも出来る。プチプチの空気を味わなくても、その景色を見ただけで行ったみたくなった。素晴らしい景色と新鮮な空気の中で存分に滑ってみたいものだ。


世界の広告を見るもう一つの楽しみは、そこから外国の文化、お国柄を感じることである。たまにだが、日本のそれと大きなギャップを感じることがある。また、ほんのわずかだ英語の勉強にもなっていると勝手に思っている。